おおまえです。先日 2014-10-26 に Trac 0.12.6, 1.0.2, 1.1.2 がリリースされました。ダウンロードは http://trac.edgewall.org/wiki/TracDownload と pypi.python.org/pypi/Trac からできるようになっています。
個々のリリースで 0.12.6 56チケット、1.0.2 182チケット、1.1.2 42チケットがクローズされました。以前までのリリースに比べて 1.0.2 のチケット数がかなり多いのですが、主に活動するコミッタがどんなに小さいものでもチケット登録する…というが大きい気がします。
それはさておき、リリースノートに記載されている主要な変更に上げられている部分の日本語訳をここに載せます。また、このリリースでバグを見つけたり改善案などがあれば、http://trac.edgewall.org/ や メーリングリスト などに報告いただけると大変ありがたいです。
Trac 0.12.6 Released
Trac 0.12.6 は、56チケットに対する修正を含んでいます。以下が主要なものです。
- Subversion での注釈履歴 (svn blame) が以下の場合に失敗:
URL エンコード文字がある場合 (#10386)、
Windows でリポジトリパスのドライブレターを小文字にしている場合 (#10514)、
Subversion 1.7 でパスに ASCII 以外の文字がある場合 (#11167) - svn:mergeinfo 属性に対する browser ページ (#8459) と changeset ページ (#11219) での表示パフォーマンスを改善
- 大量のカスタムフィールドがあるとカスタムクエリが失敗 (#11140)
- Zip ファイルのタイムスタンプにタイムゾーン情報がなかった (#11162)
- TracLinks の log リンクがリビジョンの範囲指定によってはエラーや間違う (#11308, #11346)
- IE 11 でチケットページでの textarea 中のテキストが正常に折り返されない (#11376)
- チケットの CSV ダウンロードで担当者フィールドにあるメールアドレスがそのままになる (#11594)
- Distribute 0.6.29 以降でロケールデータが egg ファイルに含まれない (#11640)
- マイルストーン削除時に添付ファイルが削除されない (#11672)
- Babel 1.0 以降のサポートを追加 (#11258, #11345)
- ConfigObj 5.0 以降のサポートを追加 (#11498)
チケットの詳細は以下にあります。
Trac 1.0.2 Released
Trac 1.0.1 を2013年2月にリリースし、その後、200以上の修正と小さな改善を行いました。
このリリースの主要なものです:
- Subversion でのキーワード展開と改行コードの置換をリポジトリブラウザでのファイルの参照時とダウンロード時に行うようになりました (#717)
- チケット通知メールを変更前の担当者、Cc にも送信 (#2311)
- マイルストーンの名前変更、削除、別マイルストーンへの変更時に、チケットの変更履歴を更新 (#4582, #5658)
- Authz permissions policy に対して多くの修正を行いました:
リポジトリブラウザ (#10961, #11646)、Wiki ページ (#8976, #11067)、管理ページ (#11069)、レポートページ (#11176) - 二重にフォームを submit できないようになりました (#10138)
- permission_policies のどれかがロードできない場合に ConfigurationError を上げるようになりました。また、その際にシステム内部の情報やインストールのエラーを漏らさないようにしました (#10285)
- Wiki ツールバーを設定で無効にできるようになりました (#10837)
- 管理ページの見出し部分にテーブル中のエントリ数を表示 (#11027)
- すべてのページで「取り消し」ボタンを一貫性があるように配置 (#11076)
- 変更ページの表示時に、テキスト要素にフォーカスを移すようにしました (#11084)
- 並べて編集モードの際に、「編集の衝突」と「マージ」の警告メッセージが常に見えるようにしました (#11102)
- レポートページ (#11106, #11664) とチケットページ (#11471) のレイアウトを改善
- Genshi 0.7 に対する互換性 (#11218)
- Git リポジトリのサポートに対する多くの修正
このリリースは 0.12.6 に対する修正を含んでいます。チケットの詳細は以下にあります。
Trac 1.1.2 Released
主要な変更:
- Python 2.5 サポートを削除しました。Python 2.5 に対して互換性のない変更がなされ Trac は Python 2.5 では動作しないようになりました (#11600)
- チケットワークフローに may_set_owner アクションが追加されました。set_owner に似ていますが、担当者を現在のユーザではなくデフォルトの担当者にします (#10018)
- [ticket] optional_fields オプションが追加されました。任意入力にしたいドロップダウン (セレクト型) のフィールドを指定します。(値を空にできるようになります) (#10772)
- WikiProcessor コードブロックで行番号の表示とハイライトできるようになりました (#10834)
- 「デフォルトハンドラ」を個人設定で設定できるようになり、全ユーザのデフォルトを管理ページの「基本設定」で設定できるようになりました (#11519)
- 読み込み専用の Wiki ページには、ファイル添付できないようになりました (#11244)
- 管理ページのテーブルに「全選択」チェックボックスを追加 (#10994)
- 項目が選択する必要がある場合には、submit ボタンを無効にするようにしました (#11056)
- 管理ページの権限にユーザやグループ間で権限をコピーするフォームを追加しました (#11099)
- [milestone] default_retarget_to オプションが追加になりました。このオプションは、マイルストーンの削除や完了時に変更先のマイルストーンを指定することができます。また、マイルストーン管理ページからでも設定することができます (#10010)
- マイルストーンにチケットがない場合には、マイルストーンを再割当てするドロップダウンを表示しないようになりました (#11366)
- 「デフォルトをクリア」ボタンで管理ページからチケットシステムのデフォルト値をクリアできるようになりました (例えば default_milestone, default_version) (#10772, #11300)
- TitleIndex マクロは Wiki ページで使用された場合に、相対パスのプレフィックスをサポートするようになりました (#11455)
- CommitTicketUpdater は #comment:N や #comment:description もチケットの参照として解釈するようになります (#11622)
- マイルストーン管理ページにあるチケットカラムにクエリリンクが用意されるようになりました。そのリンクからは、そのマイルストーンを持つチケットをステータスでグループ化してクエリが実行されます (#11661)
- Authz policy はレポート一覧ページに対してリソースID -1 を使ってアクセス制限を行うようになります (#11697)
ここにあげたものに加えて、1.0.2 と 0.12.6 に対する修正を含んでいます。
詳細なリリースノートは以下にあります。
- http://trac.edgewall.org/wiki/TracDev/ReleaseNotes/1.1#DevelopmentReleases
- http://trac.edgewall.org/wiki/TracDev/ReleaseNotes/1.0#MaintenanceReleases
- http://trac.edgewall.org/wiki/TracDev/ReleaseNotes/0.12#MaintenanceReleases