久しぶりにTrac本が出版されました。Trac本をぜひご紹介したいと思います。
入門ということでTracについての基本的な使い方はわかりやすく説明されていますが可もなく不可もなく普通です。
現場の開発に即した導入方法からはじまってバージョン管理システム連携に至るまでソフトウェア開発の幅広い部分をかる〜いタッチで説明している点はこれから学習する人たちにとって読みやすく分かりやすいと思います。プロジェクト管理で発生する問題をどのように解決していくか、マンガによる解説も理解しやすくとても良いです。
ソフトウェアの技術書はかたい感じの技術書が多いのですが、それとは異なりソフトウェア業界に入ったばかりの新人やTracを知らない人などをターゲットにした内容になっています。
すでにTracを知っている、活用している層の人にとっては物足りない内容かも知れませんが、Trac 1.0のリリースに対応したTrac入門本ということで体系立ててまとめられた良い本です。
必ず経験(した|する)トラブルとその改善はあなたのチームでもきっと役立つことでしょう。
より生産性をあげるための開発ツール、方法論はどんどんリリースされています。
エンタープライズ向けや高機能なツール、見た目のギミックがすごいツールがたくさんあります。
そんな中でTracを選択する理由はその設計思想である
- プロジェクト管理のための最小限のアプローチをWebアプリケーションで提供すること。
- チームがすでに確立している開発プロセスと開発ポリシーになるべく影響を与えないこと。
これが大きいと感じています。
ツールが出しゃばらず、とてもシンプルな方法だけど自分たちのやり方をさらに生産的にする、優れたツールとして活用してもらえることを期待しています。
索引
- 第1章 Tracの概要
- 第2章 Tracでの問題管理の準備─Tracプロジェクトの設定とカスタマイズ
- 第3章 問題をTracする─Tracによる問題管理の実際
- 第4章 プロジェクトをTracする─開発プロジェクトへの導入
- 第5章 バージョン管理システム・CIとの連携
- 第6章 逆引きTrac
- 第7章 Tracを使う上での心得(プラクティス)
- 第8章 Tracリファレンス
技術評論社 – [改訂] Trac入門
* [改訂]Trac入門――ソフトウェア開発・プロジェクト管理活用ガイド