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[tracpath] 新しいユーザを招待する方法

ユーザを招待する 
こんにちは、tracpath の新しい機能をご紹介します。
プロジェクトに新しいメンバーを作成する場合、手間ですが1件ずつ「ユーザ名」「メールアドレス」「パスワード」を用意する必要がありました。

サイト管理者によってメンバーのパスワードを仮設定しておくことはよくある運用方法ですが、作成後に必ず担当者に周知しなければいけないことがあります。それは「ログイン情報とURLを連絡する」「ログイン時、初期設定済のパスワードを変更依頼」です。
 
作成するユーザが少ないときは大きな手間は掛かりませんが、10名以上のユーザを新規作成するときはとても手間が掛かってしまいますし、ケアレスミスをすることも考えられます。

ユーザ作成の手間とケアレスミス

このようにサイト管理者はプロジェクトメンバーが増える度にユーザを作成し、周知という作業を繰り返すことになります。
この手間を大幅に削減する機能をご紹介します。

 

ユーザの招待機能

 
サイト管理者にとっての課題だった

  • 新しいユーザの「ユーザ名」を決める
  • 新しいユーザの「初期パスワード」を決める(複数ユーザの場合でも同じパスワードは避けるべきです)
  • ユーザ作成後、利用者にURLと接続情報を周知する

をもっと簡単に安全にできるようになりました。

ユーザの作成方法が簡単になり、招待したユーザの状態(ログインし自分のパスワードを設定しかどうか)を把握することができます。

 

ユーザ作成

 
ユーザの招待

最初にサイト管理者で tracpath にログインし、「ユーザ・グループ」タブから「ユーザ作成」をクリックします。
入力する項目は2つのみです。ユーザ名とメールアドレスのみ。複数ユーザを同時に作成・招待することができます。また、必要なら送信メールにコメントを追加することできます。

 

招待メール

 
プロジェクトメンバーに招待されたユーザ宛にメールが送信されます。
メールには

  • tracpath のアクセスURL
  • パスワードの設定URL(24時間有効)
  • コメント

が記載されます。

サイト管理者は「ユーザ・グループ」タブのステータスから招待した利用者がログインししたのか、まだ利用していないのか、を知ることができます。招待メールを送ってからパスワード設定の有効時間である24時間を超えた場合はユーザに再招待メールを送付することができますのでご活用下さい。

招待メール例

 


[tracpath] 最近のアカウントアクティビティ機能が追加されました。

 

こんにちは、tracpath に新しい機能「前回のアカウントアクティビティ管理機能」が利用できるようになりました。
アカウントのアクティビティとは tracpath に関する最近のアクセス状況が表示されます。 これは、あたなのアカウントによる tracpath へのアクセス状況を確認することで不正にアクセスされていないか、知らない場所からの不正なアクセスがないか、調べることができます。

 

最近のアクセス履歴を確認するには

 

あなたのアカウントについて最近のログイン履歴を確認するには、tracpath にログイン後、グローバルメニューの「個人設定」>>「ログイン履歴」にアクセスします。 ログイン履歴には、直近24時間のログイン履歴とアクセスの種類(ユーザエージェント)、IPアドレス、時刻、認証結果が表示されます。

アカウントのアクティビティ機能

 

別のところからのログインがある場合

 
あなたのアカウントが別のところからアクセスがある場合、以下のようにアラートが表示されます。
他のセッションが見つかったからと言って、すぐに不正アクセスとはなりません。他のセッション情報が表示されている理由として、別のパソコンで tracpath にログインしていることが考えられます。会社から tracpath にアクセスしているときに、スマートフォンから tracpath にアクセスしている場合などが考えられます。

別の場所からのログイン

 

ログアウトしていないセッションが残っている場合

 
あなたのアカウントを利用してログイン後、ログアウトしていない場合は以下のように通知されます。
ログアウトしていない状態は、ブラウザの強制終了やネットワークの断絶などが考えられます。

ログアウトしていないセッションの確認

 

ユーザエージェントでログイン履歴を確認します。

 
ユーザエージェントは、tracpath にアクセスしたとき利用者がデータ取得に用いたソフトウェアまたはハードウェアを記録します。ユーザエージェント項目を定期的に調べることで、他の人による tracpath へのアクセスの有無とその時刻を知ることができます。 例えば、いつも利用するブラウザとは異なるブラウザ「Chrome」を利用していないにもかかわらず、Chrome のユーザエージェント情報が記録されている場合はアカウントの不正使用されている可能性があります。

Mac OS X 10.8.4 を利用して、Chrome からアクセス

 

Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_8_4) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/27.0.1453.110 Safari/537.36

Subversion クライアントからアクセス

 

SVN/1.6.17 (r1128011) neon/0.29.6

アカウントの最近のアクティビティを活用することで安心してご利用することができます。

 

自分のアカウントが不正使用されている可能性があるとき

 
アカウントが不正使用されている可能性があるときはセキュリティ対策手順を実施してください。

 
 

[git] クローンからプルしてマージ、コミットしてプッシュする

 

こんにちは、最近流行の git(ギット)。
分散バージョン管理の概要を理解するためのコンテンツを公開しました。

 はじめてバージョン管理システムを利用する人、初学の人から、すでに開発に使っている人までこれまでのバージョン管理に比べ圧倒的に便利だ。という反面、「バージョン管理の利点と使い方はなんとなくわかる。が、分散バージョン管理はよくわからない」という声があります。私自身も git の利用を開始した当初は、「Index? HEAD? なにそれ? 」状態でした。

社内メンバー向けに作成し、お客様にも利用して頂いた資料をもとに新たに編集し直して公開します。(画像なども新たに編集)

この「git 基礎勉強」を読めば、
「クローンからプルしてマージ、コミットしてプッシュする」

の意味が理解できるようになります。

ぜひご覧下さい。

 


手書き風の画像は、だものメーカーを使っています。

チケットカレンダーでプロジェクトのタスクを「見える化」

 

こんにちは、tracpath の新しい機能「チケットカレンダー」をご紹介します。
trac プラグインとしてすでにリリースした TicketCalendarPlugin を tracpath で利用できるようにしました。

 

このプラグインは、チケットの対応予定を視覚的に分かりやすく「見える化」するためのプラグインです。
tracpath にはチケットを確認する方法として、メール通知、レポート機能、フィルタ機能、Excleエクスポートを提供しています。が、視覚的に確認する機能がありませんでした。チケットカレンダーによって、柔軟なフィルタ機能を利用して必要なチケットを見える化することが可能になります。

tracpath で利用するためにチケットにカスタムフィールドを設定する必要があります。
チケットカレンダーに表示するためには、チケットやマイルストーンに日付項目が必須となります。
日付項目に従ってカレンダーに表示するためです。

設定項目は2つのみです。

 

チケットカレンダーに必要な設定

 
チケットに新しい属性「開始日」「終了日」をカスタムフィールドから追加します。

カスタムフィールド
名称 タイプ ラベル デフォルト値 書式
start_date Text 開始日 空白 Plain
due_date Text 終了日 空白 Plain

 

名称の「start_date」「due_date」は一意な名前を付ける必要があります。start_date と due_date はユーザが自由に設定することができます。(設定方法については後述)
 


 

これで、チケットカレンダーが利用できるようになりました。
 
 

カレンダーのチケットを見る

カレンダーに表示されるチケットをクリックすると、チケットの詳細を吹き出しで表示します。チケットIDのリンクをクリックするとチケット詳細画面に遷移します。

 

月間カレンダーを見る

月表示のBOXカレンダーを表示します。グローバルメニューから チケット » チケットカレンダー をクリックして表示されます。

 

リストでチケットを見る

右上にある「リスト表示」をクリックするとチケットを今日の日付から1週間分リスト表示します。「先週のチケットを見る」「翌週のチケットを見る」をクリックすると先週・翌週のチケットリストを見ることができます。

 

チケットカレンダーのカスタマイズ

 
チケットカレンダーは標準の設定でそのまま利用する事ができますが、色やアイコンを自由に変更することができます。チケットカレンダーのカスタマイズ方法について説明します。

チケットカレンダーのカスタマイズ画面はプロジェクトの管理画面 » サイドメニューの ticketcalendar をクリックします。

 

チケットカレンダーのカスタマイズ項目
項目名 表示 デフォルト値 説明
週の開始日 first_week_day -1 カレンダーにおける週の最初の曜日を指定します。-1 の場合、ユーザのロケールに対応する曜日を使用します。それ以外の場合、指定した値を使用します。(0 が月曜日になります)
マイルストーン背景色 milestone.background-color #c2c2c2 マイルストーンの背景色を指定します
マイルストーンアイコン milestone.icon ui-icon-flag マイルストーンで表示する jquery-ui のアイコン名を指定します。
チケットの期日 ticket.due_date due_date チケット期日になるフィールド名を指定します
チケット期日の書式 ticket.due_date.format %Y-%m-%d チケット期日の書式を指定します。
チケット優先度の背景色 ticket.priority.color #fca89e, #ffad46, #7bd148, #8db3f0, #cca6ac チケットの優先度に使う背景色をカンマ区切りで指定します。優先度と背景色を明示的に指定することもできます。例: blocker:#fa6653, critical:#ffad46, …
チケットの開始日 ticket.start_date start_date チケット開始日になるフィールド名を指定します
チケット開始日の書式 ticket.start_date.format %Y-%m-%d チケット開始日の書式を指定します。
チケット分類のアイコン ticket.type.icon ui-icon-contact, ui-icon-lightbulb, ui-icon-check, ui-icon-gear, ui-icon-comment チケット分類に使う jquery-ui のアイコン名をカンマ区切りで指定します。 http://jquery-ui.googlecode.com/svn/tags/1.8.21/tests/static/icons.html を参照してください。チケット分類とアイコン名を明示的に指定することができます。 例: defect:ui-icon-contact, task:ui-icon-lightbulb, …

 

 

チケットカレンダーに利用できるアイコン集

 

ハードディスクの物理的な破壊と電子記録媒体破壊証明書

tracpath サービスはすべて Amazon のクラウドサービスを利用してそのメリットを享受しています。
が、開発環境や検証環境等、社内のすべてのハードウェアがなくなったわけではありません。どうしても手元で作業するために残さなければいけない機材があります。

サーバの入替のタイミングでハードウェアを仮想化・クラウド化に順次移行し処分しているのですが、すべてのサーバ機器をなくすためにはもうしばらく時間が掛かりそうです。このエントリーでは、当社が実施してる情報漏洩対策の一環をご紹介します。

ハードウェアの破棄は情報漏洩のリスクがあります。

このリスクとは、ハードウェアの記録媒体から情報を取得される、という点です。
企業の情報セキュリティを担当されている方も悩まれたことがあるのではないでしょうか。データ消去ソフトウェアを使って消去しても不安がある、処分方法が分からない、どこに依頼すれば良いか分からないなどの疑問があるかもしれません。

ハードディスク等の記録媒体のデータ消去作業はとても面倒ですが十分注意しなければ行けません。ハードディスクのデータ復旧サービスなど、特殊なツールや解析が可能なサービスを提供しているとおり、復旧できてしまう場合があるからです。

データ消去方法として

  1. データ消去ソフトを使って、無意味なデータで上書き
  2. 物理的に記録媒体を破壊

専門のサービスではこの2つの方法を実施することが多いようです。

当社が利用しているサービスの場合

  1. NSA(米国国家安全保障局)準拠方式にてデータを消去
  2. ハードディスクをプラッター部分、基盤部分、その他に分類し、物理的に破壊
    • CrushBox(日東造機)などのハードディスク破壊装置を使って筐体に穴を開ける破壊が主流ですが、利用しているサービスはプラッターの記録面が読み取れないくらいに破壊されています。
  3. 希望すれば)目の前で破壊を確認することができる
  4. 電子記録媒体機能破壊証明書の発行


このような方法で使わなくなったサーバ製品の記録媒体を処分しています。
数千円〜数万以内の価格で対応してもらえます。コストは掛かりますが確実な処分を行うことで安心します。

サーバ製品のハードディスクは破壊処理を行っていますが、メンバーが利用する開発端末(ノートパソコン)については、専用の消去ソフトウェアを使って無意味なデータで上書きする手法を使います。サーバ製品は外部の専門会社に依頼しますが、ノートパソコンは自分たちで実施しているからですが。。。

データ消去ソフトの実行はとても時間が掛かって手間ですが、データ漏洩したときのリスクを考えると必ずやらなければ行けない作業です。

IT事業者としてサービスを提供している当社の情報漏洩対策の一環をご紹介しました。

マイルストーンを利用したチームの進捗管理

 

マイルストーンの有効活用についてエントリーを作成しました。
tracpath のマイルストーンは1つの達成したい目標を指します。プロジェクトでは達成したい目標に向かって、ステップ毎に計画を立てて実行していきます。実行後、検証を行って新たな計画を立てていく。このようなサイクルでプロジェクトを進めていきます。
サイクルの一区切りとなるマイルストーンをうまく利用することで、あなたのチーム内においてプロジェクトを整理することができます。

tracpath は弊社が開発に関わっているオープンソースの Trac をエンタープライズ向けに提供しているクラウドサービスです。

Trac / tracpath を使ったマイルストーンの使い方を見てみましょう。

マイルストーンの利用例

EC-Cube

EC-Cube オープンソースのECサイト構築システムの開発で利用
http://svn.ec-cube.net/open_trac/roadmap

WordPress

WordPress オープンソースのブログ管理システムの開発で利用
http://core.trac.wordpress.org/roadmap

tracpath

Git/Mercurial/Subversion クラウド型プロジェクト管理サービス
http://tracpath.com/

マイルストーンの使い方

ご紹介したオープンソースプロジェクトは、マイルストーンを「次回リリース」「次々回リリース」「未計画」に分類して管理しています。

次回リリース/次々回リリース

  • 次回計画している予定
  • 計画と方針
  • 機能(チケット)
  • 完了・未完了のチケット

が分かるようになっています。

開発チーム内で情報共有し、自分たちが進むべき道を示しているマイルストーンを有効に活用することで得られるメリットはとても大きいです。マイルストーンに紐つけられたチケットによりタスクや課題の状況、マイルストーンの全体進捗率、残っている課題が一目で分かります。複数チームの場合、チーム毎にマイルストーンを設定することもできます。
tracpath はあなたのチームに合わせた柔軟な運用スタイルにあわせて利用できるように、使い方に特別な制約がありません。チームの開発方針や確立したスタイルを変えなくてもすぐに活用できるように設計されています。
 

 

Trac プラグイン:TicketCalendarPlugin の説明と使い方

 

Trac プラグイン:TicketCalendarPlugin の使い方を説明します。

このプラグインは自分が担当しているチケットを「いつまでに、何を、どのくらい」対応しなければいけないかをビジュアル的に知りたいと思い、開発したプラグインです。
インストール方法はこちらのエントリーTrac プラグイン:TicketCalendarPlugin – チケットを月間カレンダーに表示するプラグイン(インストール編)を先にご覧下さい。

TicketCalendarPlugin の概要

 

TicketCalendarPlugin の特長

 

  • 期限付きのチケットを月間カレンダー上で俯瞰
  • リスト表示機能で直近の作業を確認
  • チケットクエリ条件をつかって自分たちに必要なチケットのみ表示
  • マイルストーンとチケットを1つの画面で見る
  • マクロ機能で Trac Wiki に貼り付け可能
  • 見た目が綺麗

 

TicketCalendarPlugin の機能

 

  • 期限のあるチケットをBOXカレンダー表示
  • 期限のあるチケットをリスト表示
  • マイルストーンをカレンダーに表示
  • チケットIDからチケット詳細画面に移動
  • 日付(開始日)を指定して新規チケット作成
  • チケットのフィルタ機能、カスタムクエリのフィルタがそのまま使える
  • チケットのソート機能が使える
  • マクロで Wiki や マイルストーンに貼り付け
  • カレンダーとリストに表示するチケット分類アイコンを指定可能
  • カレンダーとリストに表示するチケット重要度カラーを指定可能
  • カレンダーとリストに表示するマイルストーンのアイコン・カラーを指定可能
  • BOXカレンダーの週の始まる日を指定可能
  • カスタムフィールドの開始日、終了日をユーザーが定義可能

TicketCalendarPlugin のインストールと設定内容についてはTrac プラグイン:TicketCalendarPlugin – チケットを月間カレンダーに表示するプラグインをご覧下さい。

 

1. スクリーンショット

 
TicketCalendarPlugin のスクリーンショットをご覧下さい。見たままの簡単操作であなたのチケットを教えてくれます。

TicketCalendarPlugin:月間カレンダー表示 TicketCalendarPlugin:リスト表示 TiketCalendarPlugin:1日のチケット一覧を表示

 

2. 使い方

 

月間カレンダーを見る

月間カレンダーを見る 月表示のBOXカレンダーを表示します。グローバルメニューから「チケットカレンダー」をクリックして表示されます。

カレンダーのチケットを見る

カレンダーのチケットを見る カレンダーに表示されるチケットをクリックすると、チケットの詳細を吹き出しで表示します。チケットIDのリンクをクリックするとチケット詳細画面に遷移します。

カレンダーから新しいチケットを作成する

カレンダーから新しいチケットを作成する 月間カレンダーの日付セルをクリックすると吹き出しが表示されます。開始日を指定してチケットを作成、または期日を指定してチケットを作成することができます。

リストでチケットを見る

リストでチケットを見る 右上にある「リスト表示」をクリックするとチケットを今日の日付から1週間分リスト表示します。「先週のチケットを見る」「翌週のチケットを見る」をクリックすると先週・翌週のチケットリストを見ることができます。

 

3. 活用方法

 
どこかで見たり聞いたことある普通のカレンダー表示するだけのシンプルなプラグインですが当社での活用方法をお話しします。

チームの進捗管理に利用

 
チームの進捗会議を行うときに、Wikiに報告書を書くようにしています。(書いた報告書をみんなで共有)
進捗報告で利用する報告書にチケットカレンダーを貼り付けておくと、チーム毎、担当者毎の作業の混み具合や予定が「パッ」と俯瞰できます。

全体を一発で知るにはとてもよい機能だと思っています。

印刷してお客様向け報告に利用

 
カレンダー表示とリスト表示のどちらにも「マクロ」を出力する機能があります。
このマクロを Wiki に貼り付けます。
あとは、作業内容の報告・問題点などを記述すれば、あっという間に報告書のできあがりです。(実際のお客様に提出する場合はこれだけではダメですが。)

社内報告、協力会社への報告・共有、チームの情報共有などなど、サクッと資料を作ってしまいましょう。

ぜひ、TicketCalendarPlugin をお試し下さい。
皆様のご意見を聞かせて頂ければ今後の開発にいかしていきます。
ブログのコメントかお問い合せフォームよりお声をお待ちしております。
 

Trac プラグイン:TicketCalendarPlugin – チケットを月間カレンダーに表示するプラグイン(インストール編)

 

こんにちは、新しい Trac プラグインをリリースいたしました。
チケットに「開始日」「終了日」を設定すると Google Calendar の月間表示のように機能する TicketCalendarPlugin を開発いたしました。

このプラグインは自分が担当しているチケットを「いつまでに、何を、どのくらい」対応しなければいけないかをビジュアル的に知りたいと思い、開発したプラグインです。

動作しているスクリーンショット(イメージ図)は以下です。

このエントリーではインストールと初期設定について見ていきます。

1. easy_install でインストール

easy_install に http://trac-hacks.org/wiki/TicketCalendarPlugin/0.12 を渡せばさくっとインストールできます。
svn コマンドがない環境では、これではインストールできないと思います。その場合、Trac-hacksから手動でダウンロードを行い、ダウンロードしたディレクトリを easy_install に渡すようにしてください。

C:>easy_install -Z http://trac-hacks.org/svn/TicketCalendarPlugin/0.12
Downloading http://trac-hacks.org/svn/TicketCalendarPlugin/0.12
Doing subversion checkout from http://trac-hacks.org/svn/TicketCalendarPlugin/0.12 to c:\docume~1\admini~1.ope\locals~1\temp\easy_install-x_lmas\0.12
Processing 0.12
Running setup.py -q bdist_egg --dist-dir c:\docume~1\admini~1.ope\locals~1\temp\easy_install-x_lmas\0.12\egg-dist-tmp-ubt6k_
zip_safe flag not set; analyzing archive contents...
TicketCalendarPlugin 0.12.0.1 is already the active version in easy-install.pth

Installed c:\traclight\python\lib\site-packages\TicketCalendarPlugin-0.12.0.1-py2.6.egg
Processing dependencies for TicketCalendarPlugin==0.12.0.1
Finished processing dependencies for TicketCalendarPlugin==0.12.0.1

2. trac.ini でプラグインを有効にする

有効にしたい Trac プロジェクトの conf/trac.ini でこのプラグインを有効にします。(inherit-file で共有している trac.ini でも可能)

# trac.ini
[components]
ticketcalendar.web_ui.* = enabled
[ticketcalendar]
first_week_day = 6
milestone.color = #C2C2C2
milestone.icon = ui-icon-flag
ticket.due_date = due_date
ticket.due_date.format = %Y/%m/%d
ticket.start_date = start_date
ticket.start_date.format = %Y/%m/%d

この後、Trac を動作させている Web サーバを再起動させます。
チケットカレンダーを利用するためにチケットにカスタムフィールドに2項目追加する必要があります。
チケットカレンダーで利用するカスタムフィールドは trac.ini で定義します。

例示した設定の場合

  • start_date ・・・作業開始日
  • due_date ・・・作業終了日

を設定しています。利用する前にカスタムフィールドを追加してください。
これでインストール作業は終了です。

利用方法の説明についてはこちらのエントリー「Trac プラグイン:TicketCalendarPlugin の使用方法」を参照してください。

3. 設定の説明とカスタマイズ

チケットカレンダーは trac.ini で色やアイコンを利用者の好みにカスタマイズすることができます。
TicketCalendarPlugin の設定項目の説明と利用方法についてまとめています。

TicketCalendarPlugin 設定一覧
解説 設定例
first_week_day 週の始まる日を 0:月曜 から 6:日曜 の間で設定します。デフォルト値は 6 です。
first_week_day = 6
milestone.color マイルストーンのカラーを指定します。
milestone.color = #C2C2C2
milestone.icon マイルストーンのアイコンを指定します。アイコンの種類はjQuery-UIアイコン一覧が利用可能です。
milestone.icon = ui-icon-flag
ticket.due_date チケットカレンダーに表示するために必須項目です。チケットの終了日のカスタムフィールドを指定します。
ticket.due_date = due_date
ticket.due_date.format 終了日として利用するカスタムフィールドの日付フォーマットを指定します。
ticket.due_date.format = %Y/%m/%d
ticket.start_date チケットカレンダーに表示するために必須項目です。チケットの開始日のカスタムフィールドを指定します。
ticket.start_date = start_date
ticket.priority.color チケット優先度の背景色を CSS カラーで設定します。trac.ini に設定しない場合、デフォルトが利用されます。
設定例:
ticket.priority.color = #faa, #ffa, ...
または
ticket.priority.color = blocker:#faa, critical:#ffa, ...

デフォルト:
ticket.priority.color = #fa6653, #ffad46, #7bd148, #4986e7, #cca6ac
ticket.type.icon チケット分類のアイコンを設定します。アイコンの種類はjQuery-UIアイコン一覧が利用可能です。trac.ini に設定しない場合、デフォルトが利用されます。
設定例
ticket.type.icon = ui-icon-contact, ui-icon-lightbulb, ...
または
ticket.type.icon = task:ui-icon-contact, defect:ui-icon-lightbulb, ...

デフォルト:
ticket.type.icon = ui-icon-contact, ui-icon-lightbulb, ui-icon-check, ui-icon-gear, ui-icon-comment

チケットのテンプレート機能を使って書かない人に書かせるためのヒント

 

こんにちは、tracpath の便利な機能を紹介します。
ご利用者様の要望から生まれた機能の中でご紹介した「チケットのテンプレート(雛形)機能」があります。

この機能が必要とされた背景には、開発チームのメンバーによってチケットに記述される内容の深さや書き方が異なることが挙げられます。

バグ起票の場合、開発者はできるだけ詳しい報告が欲しいのですが、テスターやエンドユーザから挙がってくる内容は「商品一覧画面でアイテムの詳細ボタンを押下するとシステムエラーが発生する(IE8のとき)」や「アイテムの詳細が表示されない」「アイテム詳細表示でシステムエラー」など、担当者であればなんとか理解できるバグ報告から詳細を聞かなければ分からないバグ報告まで、報告者による内容が異なることが多々あります。

良いバグレポートに必要なことで解説されていることが周知され、チームメンバー全員が協力してくれることが理想ですが現実は報告者のスキルの差もあり難しい課題です。

少しでもこの課題を解決するために「チケットのテンプレート機能」を開発しました。

具体的な使い方を見てみましょう。

 

チケットのテンプレート機能

 

チケットのテンプレート機能はプロジェクトの管理画面から設定することができます。
プロジェクト -> 「管理」タブ -> チケットテンプレートをクリックしてください。または、新規チケット作成画面の「テンプレート」リンクをクリックしても良いです。

チケットテンプレートに作成したい名前と雛形として利用する内容を記述します。(ここでは、タスク、バグ、要望を作成)

準備はこれで完了です。

 

チケットテンプレートの例

バグ報告

==== 再現手順
 1. 1st
 1. 2nd
 1. 3rd

==== 期待する内容


==== 環境情報
 * ブラウザ
 * OS
 * その他

==== その他

要望

==== どのような機能が必要ですか
 * その1
 * その2

==== 必要になる場面・情況を教えてください
 * 情況や
 * 場面

==== その機能があれば解決する問題を教えてください
 * 問題1
 * 問題2

次はチケット作成画面を確認しましょう。

 

新規チケット作成

 
新規チケット作成するときに「概要」の右上に「テンプレートの使用:」と表示されています。
プルダウンの中に先ほど作成したテンプレートの名前がリスト表示されます。

1つ選択してみましょう。

チケットテンプレートの管理画面で追加した雛形がチケットの詳細に反映されました。

 

最後に

 
良いバグレポートは、開発者が問題を見つける大きなヒントを提供してくれます。
同じ問題をすぐに再現させることができ、原因の特定に時間がかかりません。
バグは原因が分かってしまえば解決することは比較的簡単にできることが多いです。

最近の開発ではITツールやメール・メーリングリストなど人に物事を伝えるために文章を書く機会が多くなりました。
チケットテンプレート機能を使うことで少しでもチームの効率化が上がってくれることを期待しています。

 

[book][bts] 組込みソフトウェア開発における品質向上の勧め(バグ管理手法)本の紹介

 

バグ管理のやり方や運用ルールは開発チームや会社によっていろいろな方法があります。
専用のバグ管理システムを利用したり、表計算ソフトを利用したり、ワープロで作成した紙もあるかもしれません。

バグ管理の大きな目的は「バグを見つけたら速やかに、かつ確実に正しく修正し、その再発を防ぐこと」です。そのために必要な考え方を体系立てて説明している無料の書籍をご紹介します。

 

IPA(情報処理推進機構):組込みソフトウェア開発における品質向上の勧め[バグ管理手法編]
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tracpath を利用している企業へのヒアリングで

  • 業務アプリケーションの受託開発
  • 組込みシステムの開発
  • クラウドサービス・ASPサービスの開発
  • コンシューマ向けゲーム・ソーシャルゲーム開発
  • スマートフォン・モバイル開発

多くのソフトウェア開発に携わる方に利用頂いております。
バグ管理方法や tracpath の使い方についてヒアリングし、多くの人がバグ管理のルール決めとバグ管理のプロセス(ワークフロー)を自分たちにあったやり方にしなければうまくいかない。と言われます。

これは、どのようなツールを使うのか、オープンソースの無料ソフトウェアを利用するのか、商用サービスを購入するのかは重要ではないことを言っています。また、ワークフローは極力シンプルにする必要がある。とも言われます。

ソフトウェア開発に携わるすべての開発者に言えることですが、バグ管理の目的や管理プロセスを理解し、自分たちのチームに最適な方式(運用ルール)を決めることがとても重要になります。

IPAの組込みソフトウェア開発における品質向上の勧め[バグ管理手法編]はバグ管理やプロセスの標準的な方法を体系立てて説明しています。

組込みソフトウェア開発向けだけではなく、他多くのソフトウェア開発の現場で役立つ情報だと思います。

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